介護業界にも押し寄せるIT化の波

超高齢化社会を迎える日本では、今は人手が足りません。需要と供給でいえば、供給が足りてない状況です。厳密にいえば、足りてない理由は少子高齢化が一つの原因のようです。2000年以降の介護職員状況は、2013年までに55万人から171万人までおよそ3倍に増えています。それでも、高齢化のペースには追い付いてないのが原因です。そして、もう一つは介護職員の定着率の悪さです。激務の割には低賃金ということもありますが、厚生労働省によると、全産業の平均勤続年数は12年なのに、介護職員は平均で約7年と短いそうです。

確かに、高齢者のケアという業務内容を考えるとものすごい激務のように思えますが、介護サービス業務は、別にケア業務だけが大変なわけではありません。顧客管理、介護スケジュール、国保連合会への伝送管理など、さまざまな管理業務もあります。今、これらの管理業務部分をITで解決する介護ソフトの存在というものが注目されています。

例えば、大手の提供する介護ソフトとなると、NTTデータの「かがやきプラン2」という介護ソフトがありますが、これは請求業務の効率化が図れます。介護事業所や施設は、月末から翌月10日にかけて、請求の作業に追われてしまいます。これが大変なのは、利用者1人1人の予定、実績に基づいて書類を作り、請求を行う必要がある点です。当然、書類作成が遅れますと、請求時期が1ヶ月遅れることになり、入金が遅れ、運営に打撃を与えることになります。効率化はもちろんのこと、人的なケアレスミスの心配もないので、返戻率も改善が見込めます。

他にもさまざまな介護サービス業務を効率化するソフトが出ています。一見すると、テクノロジーとは関係ないような業界でもIT化によって受ける恩恵は大きいようですね。いずれは、AIを搭載したロボットが介護ケアを行う時代なんて言うのも来るのではないでしょうか。